永住権とは、日本に住んでいる外国人が国籍を変えずに、在留期限に制限なく日本で暮らすことができる権利(在留資格 永住者)のことを指します。日本における在留期間や活動において制限が加えられないため、日本人と同じように自由に就労や転職ができ、帰国や更新手続きも必要ありません。そのため、数ある在留資格の中でも特に使い勝手がよく安定的な権利をもつことができるものとなっています。
当然、このような特別な権利を持つものですので、中長期日本に滞在する外国人の多くが希望する在留資格となっていますが、その資格を得るには難しい申請要件を満たし、厳しい審査をクリアしていく必要があります。特に永住権取得の手続きを進めるにあたり必須となる多くの書類は膨大であり、複雑です。そのうえ、保有する在留資格や個人の状況により集める書類は異なりますのでさらに面倒なものとなります。
この記事では永住許可申請に必要となる膨大で複雑な書類について具体的にわかりやすく挙げていきます。ご自分で申請する際の参考にしてください。
目次
- 永住許可申請 必要書類一覧
- 永住許可申請 必要書類の詳細と取得先および必要数について
- 1.永住許可申請書
- 2.写真(縦4cm×横3cm)
- 3.永住許可を必要とする理由書
- 4.申請人を含む家族全員の住民票
- 5.申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する①~④のいずれかの資料
- 6.住民税の課税(又は非課税)証明書
- 7.住民税の納税証明書
- 8.住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し等)
- 9.国税の納付状況を証明する①~⑤の全て情報が記載された資料
- 10.ねんきん定期便又はネットの「各月の年金記録」の印刷画面
- 11.国民年金保険料領収証書(写し)
- 12.健康保険被保険者証(写し)
- 13.国民健康保険被保険者証(写し)
- 14.国民健康保険料(税)納付証明書
- 15.国民健康保険料(税)領収証書(写し)
- 16.健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)
- 17.社会保険料納入証明書又は社会保険料納入確認(申請)書
- 18.健康保険組合管掌健康保険料の納付状況を証明する書類
- 19.申請人又は申請人を扶養する方の資産を証明する次のいずれかの書類
- 20.申請人のパスポート(旅券)又は在留資格証明書
- 21.申請人の在留カード
- 22.身元保証書
- 23.身元保証人に係る次の資料
- 24.我が国への貢献に係る資料(ある場合のみ)
- 25.了解書
永住許可申請 必要書類一覧
ここでは代表的な例として「技術・人文知識・国際業務等」の在留資格を有する場合の必要書類をピックアップします。
- 永住許可申請書
- 写真(縦4㎝×横3㎝)
- 永住許可を必要とする理由書
- 申請人を含む家族全員の住民票
- 申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する①~④のいずれかの資料 ①在職証明書②確定申告書控えの写し③営業許可書の写し④職業に係る説明書及びその立証資料
- 住民税の課税(又は非課税)証明書
- 住民税の納税証明書
- 住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し等)
- 国税の納付状況を証明する①~⑤の全て情報が記載された資料 ①源泉所得税及び復興特別所得税②申告所得税及び復興特別所得税③消費税及び地方消費税④相続税⑤贈与税
- ねんきん定期便又はネットの「各月の年金記録」の印刷画面
- 国民年金保険料領収証書(写し)
- 健康保険被保険者証(写し)
- 国民健康保険被保険者証(写し)
- 国民健康保険料(税)納付証明書
- 国民健康保険料(税)領収証書(写し)
- 健康保険・厚生年金保険料領収書(写し)
- 社会保険料納付証明書又は社会保険料納入確認(申請)書
- 健康保険組合管掌健康保険料の納付状況を証明する書類
- 申請人又は申請人を扶養する方の資産を証明する次のいずれかの書類 ➀預貯金通帳の写し➁不動産の登記事項証明書➂前記➀及び➁に準ずるもの
- 申請人のパスポート(旅券)又は在留資格証明書
- 申請人の在留カード
- 身元保証書
- 身元保証書に係る資料
- 我が国への貢献に係る資料(ある場合のみ)
- 了解書
永住許可申請 必要書類の詳細と取得先および必要数について
書類の詳細と取得先および必要数について記載します。
1.永住許可申請書
取得先:出入国在留管理庁HP等
必要数:1通
申請書は、入国管理局のウェブサイトからダウンロードできます。また、地方出入国在留管理局でも用紙を用意しています。
2.写真(縦4cm×横3cm)
取得先:証明写真機など
必要数:1葉
申請者の顔写真(縦4cm×横3cm)を永住許可申請書に添付して提出します。写真は指定の規格を満たしたものでなければなりません。
3.永住許可を必要とする理由書
取得先:自分で作成
必要数:A4用紙1枚から2枚
永住許可を必要とする理由について、自由な形式で書いて下さい。日本語以外で記載する場合は、翻訳文が必要です。
4.申請人を含む家族全員の住民票
取得先:市役所等
必要数:1通
世帯全員分で個人番号(マイナンバー)については省略し、他の事項については省略のないものとします。
5.申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する①~④のいずれかの資料
取得先:➀勤務先の会社等 ➁➂自身の保管場所 ➃自分で作成等
必要数:➀1通 ➁➂1通 ➃適宜
会社等に勤務している場合:➀在職証明書
自営業等である場合:②確定申告書控えの写し③営業許可書の写し(ある場合)
その他の場合:④職業に係る説明書(書式自由)及びその立証資料
自営業等の方は➁➂に加え、会社案内のパンフレットや事業HPの印刷、会社の履歴事項全部証明書や定款などといった資料も必要となる場合もあります。
申請人及び配偶者の方お二方とも無職の場合についても、その旨を説明書(書式自由)に記載して提出します。
6.住民税の課税(又は非課税)証明書
取得先:市役所等
必要数:1通
直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書
お住まいの市区町村から発行されるものです。直近5年分の証明書が発行されない場合は、発行される最長期間分について提出します。
入国後間もない場合や転居等により、市区町村から発行されない場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署にご確認ください。
7.住民税の納税証明書
取得先:市役所等
必要数:1通
直近5年分の納税証明書
お住まいの市区町村から発行されるものです。直近5年分の証明書が発行されない場合は、発行される最長期間分について提出してください。
入国後間もない場合や転居等により、市区町村から発行されない場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署にご確認ください。
8.住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し等)
取得先:自身の保管場所
必要数:適宜
直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証書等)
直近5年間において、住民税が特別徴収(給与から天引き)されていない期間がある方は、当該期間分について提出します。直近5年間の全ての期間において、住民税が特別徴収(給与から天引き)されている方は不要です。
Web通帳の画面の写し等(取引履歴が分かるもの)であっても差し支えありません。ただし、加工等できない状態で印刷されたものに限ります(Excelファイル等は不可)。
9.国税の納付状況を証明する①~⑤の全て情報が記載された資料
取得先:税務署
必要数:1通
➀源泉所得税及び復興特別所得税、②申告所得税及び復興特別所得税、③消費税及び地方消費税、④相続税、⑤贈与税に係る納税証明書(その3)
住所地を管轄する税務署から発行されるものです。納税証明書(その3)は、証明を受けようとする税目について、証明日現在において未納がないことを証明するものですので、対象期間の指定は不要です。
上記の5税目全てに係る納税証明書を提出してください。
10.ねんきん定期便又はネットの「各月の年金記録」の印刷画面
取得先:自身の保管場所又は日本年金機構
必要数:適宜
国民年金以外の年金(厚生年金など)に加入している方は、ねんきん定期便又はネットの「各月の年金記録」の印刷画面を提出してください。
日本年金機構から封書でねんきん定期便が送付されている方(35、45、59歳の誕生月)は、同封されている書類のうち〈目次〉において、『〇ねんきん定期便(必ず御確認ください)』欄の枠内に記載されている全ての書類を提出してください。
毎年送付されるハガキ形式のねんきん定期便もありますが、全ての期間が確認できないため提出書類としては御使用いただけません。
申請時の直近2年間において、国民年金の被保険者であった期間がある方は、「各月の年金記録」の中にある、「国民年金の年金記録(各月の納付状況)」の印刷画面も併せて提出してください。
直近2年間において国民年金に加入していた期間がある方は、ねんきん定期便又はネットの「各月の年金記録」の印刷画面に加え、国民年金保険料領収証書(写し)も提出してください。
「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもの)は、日本年金機構の問合せ先に御連絡いただくことにより交付申請を行うことができます。
基礎年金番号が記載されている書類について、当該番号の部分を黒塗りするなど、基礎年金番号を復元できない状態にした上で提出してください。
11.国民年金保険料領収証書(写し)
取得先:自身の保管場所
必要数:適宜
直近2年間において国民年金に加入していた期間がある方は、当該期間分の領収証書(写し)を全て提出してください。提出が困難な方は、その理由を記載した理由書を提出してください。
直近2年間の全ての期間において国民年金に加入していた方で、直近2年間(24月分)の国民年金保険料領収証書(写し)を提出できる場合は、ねんきん定期便又はネットの「各月の年金記録」の印刷画面を提出していただく必要はありません。
12.健康保険被保険者証(写し)
取得先:自身の保管場所
必要数:1通
会社員等で健康保険に加入している方は提出してください。表・裏面の写しが必要です。
※令和6年12月2日から健康保険証の廃止を定めるマイナンバー法等の一部改正法が施行されることに伴い、健康保険証はマイナンバーカードと一体化されたもの(「マイナ保険証」)になります。同日以降は現行の健康保険証の発行ができなくなるため、お手元にある健康保険証の有効期限が切れた場合や有効期限前に転職・転居などで保険者の異動が生じた場合は、以下の書類を提出してください。
・マイナ保険証を所持している方
マイナポータルの健康保険証情報に記載の「資格取得年月日」が確認できる画面の写し(3か月以内のもの)
・マイナ保険証を所持していない方
「資格確認証」(写し)
上記の書類を提出することが困難な場合については、その理由を記載した理由書を提出してください。
13.国民健康保険被保険者証(写し)
取得先:自身の保管場所
必要数:1通
自営業等で国民健康保険に加入している方は提出してください。表・裏面の写しが必要です。
※令和6年12月2日から健康保険証の廃止を定めるマイナンバー法等の一部改正法が施行されることに伴い、健康保険証はマイナンバーカードと一体化されたもの(「マイナ保険証」)になります。同日以降は現行の健康保険証の発行ができなくなるため、お手元にある健康保険証の有効期限が切れた場合や有効期限前に転職・転居などで保険者の異動が生じた場合は、以下の書類を提出してください。
・マイナ保険証を所持している方
マイナポータルの健康保険証情報に記載の「資格取得年月日」が確認できる画面の写し(3か月以内のもの)
・マイナ保険証を所持していない方
「資格確認証」(写し)
上記の書類を提出することが困難な場合については、その理由を記載した理由書を提出してください。
14.国民健康保険料(税)納付証明書
取得先:市役所等
必要数:1通
直近2年間において、国民健康保険に加入していた期間がある方は、当該期間分について提出してください。
15.国民健康保険料(税)領収証書(写し)
取得先:自身の保管場所
必要数:適宜
直近2年間において国民健康保険に加入していた期間がある方は当該期間分の領収証書(写し)を全て提出する必要があります。
16.健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)
取得先:自身の保管場所
必要数:適宜
申請時に社会保険適用事業所の事業主である方は直近2年間のうち事業主である期間における全ての期間の領収証書(写し)が必要となります。全ての期間について領収証書(写し)が提出できない方は次の社会保険料納入証明書又は社会保険料納入確認(申請)書が必要となります。
17.社会保険料納入証明書又は社会保険料納入確認(申請)書
取得先:日本年金機構
必要数:適宜
申請書の様式や申請方法等は日本年金機構ホームページを御参照ください。
社会保険料納入証明書については、日本年金機構Webにある納入証明書・納入確認書ページ「1. 社会保険料納入証明書」の申請様式「社会保険料納入証明申請書」により、出力区分「一括用のみ」及び証明範囲区分「延滞金含む」を選択して申請してください。
また、「社会保険料納入確認(申請)書」については、同じページから、「2. 社会保険料納入確認書」のうち、申請様式「社会保険料納入確認(申請)書(未納の有無を確認する場合)」により申請してください。
18.健康保険組合管掌健康保険料の納付状況を証明する書類
取得先:加入する健康保険組合
必要数:適宜
健康保険組合管掌の適用事業所であって、健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)の提供が困難である場合は、日本年金機構が発行する社会保険料納入証明書又は社会保険料納入確認(申請)書に加え、管轄の健康保険組合が発行する健康保険組合管掌健康保険料の納付状況を証明する書類が必要となります。
19.申請人又は申請人を扶養する方の資産を証明する次のいずれかの書類
取得先:自身の保管場所
必要数:➀➂適宜 ➁1通
➀預貯金通帳の写し
※ Web通帳の画面の写し等(取引履歴が分かるもの)であっても差し支えありません。ただし、加工等できない状態で印刷されたものに限ります(Excelファイル等は不可)。
➁不動産の登記事項証明書
※ 登記事項証明書は、法務局のホームページからオンラインによる交付請求を行うことができます。
➂上記(1)及び(2)に準ずるもの
20.申請人のパスポート(旅券)又は在留資格証明書
取得先:自身の保管場所
必要数:原本提示
パスポート(旅券)又は在留資格証明書の提示ができない場合は、その理由を記載した理由書を提出してください。
21.申請人の在留カード
取得先:自身の保管場所
必要数:原本提示
申請人以外の方が、当該申請人に係る永住許可申請を行う場合には、在留カードの写しを申請人に携帯させて、来庁する方が申請人の在留カードを持参してください。資格外活動許可書の交付を受けている方は、資格外活動許可書も提示してください。
22.身元保証書
取得先:出入国在留管理庁HP等
必要数:1通
身元保証人には一般的に、配偶者の方や雇用主の方がなっています。
23.身元保証人に係る次の資料
取得先:身元保証人
必要数:1通
身元保証人の身分事項を明らかにする書類が必要です。(運転免許証の写しや在留カードの写し、マイナンバーカードの写しなど)
24.我が国への貢献に係る資料(ある場合のみ)
取得先:自身の保管場所等
必要数:1通
➀表彰状、感謝状、叙勲書等の写し
➁所属会社、大学、団体等の代表者等が作成した推薦状
➂その他、各分野において貢献があることに関する資料
「我が国への貢献」に関するガイドラインおよび我が国への貢献による永住許可・不許可事例を参照に許可に該当する場合にはその資料を提出することで日本への貢献が認められる可能性があります。認められた場合、特例が適用され原則10年在留の居住要件が5年以上在留と緩和されることになります。
25.了解書
取得先:出入国在留管理庁HP等
必要数:1通
退職や転職、結婚や離婚といった理由により申請後、自身の状況が変化した場合に出入国在留管理局に連絡することを約束する書類です。